法定相続人と相続分について 港北区の司法書士のブログ
2020/03/11
今回は法定相続人と相続分についてお話しを致します。
ご存じの方も多いと思いますが、現在の民法の規定にしたがいますと、法定相続人とその相続分については以下のとおりとなります。
配偶者は常に相続人になる。
第1順位 配偶者2分の1 子2分の1
※被相続人に子がいる場合は、配偶者と子が相続人になる。配偶者がいない場合は子が全て相続する。
第2順位 配偶者3分の2 直系尊属(父母・祖父母等の縦の血縁関係かつ上への系統)3分の1
※被相続人に子がいない場合には、配偶者と直系尊属が相続人になる。配偶者がいない場合は、直系尊属が全て相続する。
第3順位 配偶者4分の3 兄弟姉妹4分の1
被相続人に子がおらず、さらに直系尊属もいない場合は、配偶者と兄弟姉妹が相続人になる。配偶者がいない場合は、兄弟姉妹が全て相続する。
以上のとおりですが、前回お話しましたとおり、法定相続人全員で遺産分割協議をすることによって、「配偶者が全部」や「配偶者が4分の3、子が4分の1」など、法定相続分から配分を変えることが可能です。
なお、前記法定相続人と相続分は昭和56年1月1日以降に生じた相続に適用されますが、これより前に発生した相続については、民法改正の変遷にしたがって、以下のとおりとなります。ここが間違いやすいところとなりますので、ご注意下さい。
相続発生日(死亡日)
・~昭和22年5月2日(旧民法)
戸主が亡くなった場合 家督相続により法定の家督相続人(直系卑属のうち嫡出男子の年長者が優先)が相続
戸主以外が亡くなった場合 第1順位 直系卑属 第2順位 配偶者 第3順位 直系尊属 第4順位 戸主
・昭和22年5月3日~昭和22年12月31日(応急処置法)
配偶者があるときは配偶者は常に相続人 第1順位 直系卑属3分の2 第2順位直系尊属2分の1 第3順位 兄弟姉妹3分の1(代襲なし)
・昭和23年1月1日~昭和37年6月30日(現行民法)
配偶者があるときは配偶者は常に相続人 第1順位 直系卑属3分の2 第2順位 直系尊属2分の1 第3順位 兄弟姉妹3分の1(代襲あり)
・昭和37年7月1日~昭和55年12月31日(現行民法一部改正)
配偶者があるときは配偶者は常に相続人 第1順位 子3分の2 第2順位 直系尊属2分の1 第3順位 兄弟姉妹3分の1
以上のとおりです。したがって、相当前に発生した相続のお手続きをする場合は、被相続人がいつに亡くなったかによって、法定相続人と相続分に違いが生じることになります。